記事一覧

[サッカー用語解説]UEFAチャンピオンズ・リーグ(CL/UCL)とは?Part2<大会形式編>

 Part1では、大会形式を思いっきりざっくりとしか解説してなかったので、ここで詳細を。


 UEFAチャンピオンズ・リーグ(UCL)には、UEFA(ヨーロッパ・サッカー連盟)に加盟する約50以上の国や地域(内紛やら何やらで、この数は毎年のように変動する)の、それなりのランキング以上のチャンピオン・チームや、強豪国の1位~4位のチームが出場資格を得られるが、そのランキングや順位によっては、本大会出場のために予備予選を戦わなければならない。予備予選のシステムにまで言及すると話が長くなりすぎるので、このへんは割愛するが、最終的にはUCL本大会には32チームのみが出場できることになる。ちなみに、Part1でも少し書いたが、この本大会に出場が決まった時点のUEFAからの出場ボーナスだけで、各チームに7億円前後もの収入がもたらされる。・・・この予備予選が最終的に終わる頃は、ちょうど欧州サッカーでの移籍期限ギリギリ(8月末)に近いため、予備予選を勝ち抜けるかどうかというクラブは、勝ち抜けた場合その収入をそのまま強力な選手の獲得資金に廻すという話も珍しくはない。


 UCL本大会は、最初は32チームを4チームずつ8グループに分けて、各グループで2回戦総当たりの(ミニ)リーグ戦が行われる。これが1次リーグとかグループリーグなどと呼称される。4チームでの2回戦総当たりなので、各チーム6試合をこなすことになる。この6試合が、9月から12月にかけて、各国国内の通常試合が行われる土曜・日曜の間を縫う形で、火曜・水曜の夜を使って行われる。そして、このグループリーグ6試合が終わった段階で、各グループの1位と2位、合計16チームが、次の段階、翌年2月以降に行われる「決勝トーナメント」へ歩を進めることになる。(欧州は雪深い地域も多いので、真冬の1月は避けられる。それでも12月や2月3月あたりで、雪が残って(降って)いたりするスタジアムも多いのだが)


 決勝トーナメントは、「トーナメント」とある通り、甲子園の様なトーナメント形式となり、つまりは「負ければそこで終わり」である。・・・ただし甲子園などと違うのは、決勝を除いて、各段階において、それぞれの本拠地で1戦ずつ、合計2戦してその合計で勝ち抜きが決定するということである。グループリーグでもこういう「本拠地で1戦ずつ」、すなわちサッカー用語で言うところの「ホーム&アウェイ」の原則が守られており、こういう話は、サッカーの大会における基本中の基本な話となっている。

 決勝トーナメントの最初、ベスト16(Round of 16)の段階においては、その組み合わせ抽選(ドロー)にいくつかの制約が加えられる。同じ国(地域)のチーム同士は当たらない、グループリーグで同じグループだったチーム同士は当たらない、あるグループの1位対あるグループの2位という構造になる、2位だったチームの方が2戦ある内の初戦を戦う、等である。また、まれな話であるが、政治的状況が条件に加えられる場合もある。近年だと、ロシアとウクライナの紛争の影響で、ロシアとウクライナのチームは対戦しない、という条件が加えられた年があった(これはグループリーグを分ける際にも同様だった)。

 1戦ずつ本拠地で、すなわち「ホーム&アウェイ」の2戦を行って、合計得点で上回った方が次の段階へ進めるが、問題になるのは合計得点が同じになった場合である。この時適用されるのが「アウェイゴール・ルール」と呼ばれるもので、要は敵地(アウェイ)の試合で取った得点(アウェイゴール)が多い方が勝ちになる、という仕組みである(このへんが特に日本人には非常に伝わりにくい(--;)。例えば合計3-3でも、2戦の内容が1-1、2-2というスコアなら、敵地で2点取ってる方が勝ち、ということになる。・・・ただし、この「アウェイゴール・ルール」を適用しても優劣が決まらなかった場合(合計2-2で、1-1、1-1ずつとか)は、2戦目の90分終了後に、30分の延長戦が行われる。ちなみにその延長戦でも「アウェイゴール・ルール」は適用される。1-1、1-1の合計2-2で延長戦に突入して、延長戦で双方1点ずつ取った場合、1-1、2-2というカウントになり、敵地で2点取った方の勝ちとなる。・・・それでも決まらなかった場合は、最後はPK戦で勝ち上がるチームを決めることになる。


 ・・・そして、ベスト16が終わった後、ベスト8(QuarterFinal)の段階の前に、また更に組み合わせ抽選(ドロー)が行われる(このややこしさも日本人が理解しづらい点のひとつである)。ちなみにこの時の抽選には、ベスト16の時のような制約は一切なく、同国チーム同士の対戦とかもアリである。2戦中どちらが第1戦を行うかも、純粋に抽選の結果に従う事になる。そして以前は、この段階でトーナメント表が決まるような仕組みになっていたのだが、現在ではベスト4(SemiFinal)の段階でも同様に組み合わせ抽選が行われる事になっている。・・・つまり、甲子園のようなトーナメント表は、ベスト4の抽選が終わった段階で初めて、結果的にという形で完成するという仕組みになっている(これまた、この大会に馴染みのない日本人には、非常に非常にわかりづらい・・・)


 ベスト8(QuaterFinal)、ベスト4(SemiFinal)とも、試合のやり方はベスト16の所で解説した通りである。こういった戦いを経て、いよいよ勝ち上がった2チームだけによる決勝(Final)が行われるわけだが、決勝だけはまた別の、特別な形式で行われる。まず決勝の舞台は、3~4年程前から既に「その年の決勝スタジアム」として決定されている、中立のスタジアムで行われる(結果的にそのスタジアムを普段使用しているチーム、あるいはそのスタジアムがある国のチームが決勝まで勝ち上がるという話はあるが、後者でもかなりその確率は低く、前者となると歴史的にも「稀有」な話になる)。その中立のスタジアムで、1戦のみの一発勝負という形式で試合が行われる。同点のまま90分を終えた場合は、前述の「アウェイゴール・ルール」などは当然なく、純粋に延長戦の結果、それでも決まらなかった場合はPK戦の結果によって優勝チームが決定することになる。


・・・こういった経緯を経て、"UEFA Champions League"のチャンピオン、すなわち名実どちらも伴ったクラブ・チームの「European Champion」=「欧州王者」が誕生するわけである。



<シリーズ記事>
[サッカー用語解説]UEFAチャンピオンズ・リーグ(CL/UCL)とは?Part1<基本的な所をざっくりと解説>
[サッカー用語解説]UEFAチャンピオンズ・リーグ(CL/UCL)とは?Part2<大会形式編>
関連記事