記事一覧

風間八宏監督、風間サッカーの「功罪」

 精神状態が悪くて、記事をまとめるのにずいぶん時間がかかってしまったが、何とかまとめた2012年の川崎フロンターレの総括的な話を、ここに書きたいと思う。


 言わずもがなだが、私が個人的に願っていた相馬監督解任が早期に実現し、数週間後に風間八宏氏が新監督になったことが、去年のフロンターレの何よりの特筆すべき点だろう。監督交代が行われたことで、おそらくほとんどのフロンターレサポやファンは、私自身と同様、フロンターレのサッカーが向上し、同時に成績も良くなっていくだろう事を期待したわけだが・・・・・・。去年1年が終わってみて、それが実現したとは、正直到底言える状況ではない。

 風間監督就任直後は、おそらくは、とりあえずの1試合1試合で結果を出すことの方に重きを置いていたので、それなりに結果も内容も伴って、いい方向に向かうかに思えた。・・・しかし、夏の中断期間以降、風間監督が自分の「色」である「風間サッカー」を全面に押し出してきてからは、フロンターレは完全に「迷走状態」に陥ってしまった。

 迷走状態になってしまった一番の原因は、はっきり言って、風間監督が掲げた「風間サッカー」が小難しすぎたからだろう。プロである選手達ですら、その理論についていくのがやっとだったように思えた。実際、特にシーズン中盤あたりなどは、基本の「パスをつなぐ」という意識に囚われすぎて、せっかくバイタルエリアまで攻め込んでもシュートではなくパスを選択したり、ほぼどんな時でもフロンターレの選手はパスを選択する、ということを敵チームに見透かされて、インターセプトされてそこから失点することも再三だった。そしてそんな状況は、少なくとも私が見る限り、結局シーズン終了まで解決されることなく続いてしまった。

 こういう風に書くと、異論を挟んでくる人も当然いる事だろうと思う。「シーズン中盤はともかく、終盤の方では、連勝もあったし、点も取れていたではないか」と。しかし、私から言わせてもらうと、シーズン終盤の状況は中盤頃より「多少マシになった」程度であって、問題の根本的解決からはほど遠かった。シーズン中盤も終盤もそうだったが、点が取れたのは、ほぼ全てのケースでセットプレー絡みか個人技によるものだったし、終盤の連勝とかも、レナトがあの時期になってブレイクしなければ果たして成し得たかどうか、大いに疑問が残るところである。・・・とにもかくにも、セットプレー、個人技、レナトの終盤ブレイクにほとんど全ての得点を依存して得た結果では、きついことを言えば、正当な評価という対象自体に値しないと言わざるを得ない。


 ・・・ここから私個人の感情も多分に入れて書かせてもらうが、「風間サッカー」の一番の欠点はおそらく、プロである選手がついてこれないという事もさることながら、観ている方ですら、いったい「いつ」「どうやって」得点するのか、というのが非常に見えづらい、という点に尽きるだろう。サッカーの魅力のひとつは、色んな形で攻撃が組み立てられていって、最後の最後にゴールが決まるかどうか、そこでのワクワク感やドキドキ感というのが、「サッカーの魅力」における非常に重要なファクターだと思うが、「風間サッカー」では、それが非常に感じづらい状況になってしまっている。攻撃の組み立て部分は、ほとんどパスを回すことばかりに集中が取られるあまり、結局シュートまで持って行けるシーンが非常に少ないため、それでは全然「ワクワク」も「ドキドキ」もない。肝心の得点も、前述したとおり、ほとんどセットプレー絡みや個人技から生まれるので、セットプレーはまだ許容できるとしても、個人技で決まる場合、予想もしてない状況から「いきなりズドン!」なので、得点自体に喜べはしても、そこに至るまでの「ワクワク」や「ドキドキ」など、生まれようがないのである。(正直むしろ、こういう状況で生まれた一番の感情は「イライラ」だった)・・・結局、こういう風にサッカーを観る側の「魅力」を奪ってしまっていることこそ、「風間サッカー」の一番の「罪」の部分だと言える。

 そして更に、風間監督の「罪」という意味で言及しなければいけないのは、大した実績も評価もない自分の息子を、それも2人までも、無理矢理フロンターレにプロ契約させたという事実である。これはコネ入社どころの話ではなく、官僚の天下り問題に匹敵するぐらいの話と言っても過言ではない。だいたい、世界のサッカーを見渡しても、自分の息子を特別な理由無しにいきなり自分のプロチームに入れてしまう、なんて話自体、聞いたことがない。あの(監督としての)マラドーナですら、先の南アフリカW杯で、娘婿のアグエロを優先起用、なんてことはしなかったのだ。そういう点に限って言えば、はっきり言って風間監督という存在は、マラドーナ以下だと断罪されても仕方が無いのである。そう非難されるだけのことを、涼しい顔してやってのけてしまったのだから・・・。


 結びとして、2013シーズンの風間監督に対して、一番きついであろう言葉を言いたいと思う。「自分のサッカーはまだ構築中だ」的な言い訳で、結果が出せないことを許容されてきた期間は、既に終わった。2013年は最初のキャンプ段階から采配を取れるのであるし、それに加えて、2012年のほとんどの時間も、「風間サッカー」構築のために「犠牲」にし続けたのだから。これだけの時間と手間をかけておいて、もはや2013シーズン開幕後に結果が出なかった場合、どんな言い訳も決して許されない。ここまでやってきた軌跡が軌跡なだけに、2013年はシーズン当初からチームを軌道に乗せて、快進撃をフロンターレを応援する全ての人々に見せつける以外、風間監督の取る道はないのだ。こういう厳しい現実が待っていることを、そしてその「厳しい現実」は自分がすすんで作った道であることを、風間監督には肝に銘じてもらいたい。そして、来るべき2013シーズンには、是が非でも真の「風間サッカー」による快進撃を見せてもらって、こういう風に批判・非難する我々をぐうの音も言わせないぐらいにして頂きたいものである。
関連記事