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地上波テレビは「ウソ」や「ウソぎりぎり」な話ばかりで、本当にイヤになる

 個人的に、私はほとんど地上波のテレビ番組を見なくなってしまった。理由は色々あるが、最大の理由は「ニュースやそれなりに真面目な番組とかで、『演出』という大義名分だけで、平気でウソをつかれちゃたまらない」ということだ。

 一応、地上波テレビで流れる番組っていうのは、それなりに真面目な番組として作っているのが大半だとは思うのだけど、そういう場面であまりにも演出過剰なナレーションを付けたり、あるいは結構ウソぎりぎりな表現を用いたりするなんて話が、何故あんなにも多いのだろうか?この事は個人的に昔から強く感じていたことではあるけど、最近はそれが本当に我慢できないぐらいのレベルに達してしまっているように思えてならない。

 演出過剰なナレーション、というのは、夕方あたりの長時間のニュース番組を、少しでも目をつぶって見ていれば(聞いていれば)、すぐにわかることだと思う。特にVTRが流れている場面とかで、そのニュースの内容に比して、付けられるナレーションがあまりにも感情的で演出過剰に過ぎるのだ。しかもひどい時だと、その"ノリ"をスタジオのニュースキャスターとかまで引きずってて、それこそ本当に「これ、ニュースじゃなくて、質の悪すぎるワイドショーだろ!?」と突っ込みたくなってしまう。

 特にニュース番組について更に言及するなら、いつ頃からか当たり前になった、画面に映っている人がしゃべっている言葉をテロップにして表示する、という話も結構ひどい事になっていると思う。これはNHKですらそうなのだが、しゃべっている言葉とテロップの内容が"微妙以上に"違う、という事が多すぎるのだ。政治家の公式の場での発言、とかならまだしも、例えば一般人であるあなたがインタビューを受けたとして、その画像で言っている事と違うテロップを付けられたりしたら、さてあなたはどう感じるだろうか?ニュース番組側からすれば、多分に「わかりやすい様に」という言い訳をするだろうけど、それは「『演出』のために、インタビューでしゃべっている人の言葉を"曲げて"もいい」という事とイコールではないはずだ。

 「ウソぎりぎりな表現」というのは、題材にあげる事が古すぎて申し訳ないが(だってそういう番組本当に見ないから)、2011年に行われたサッカー日本代表の親善試合で、チェコ代表が来日した時の話をあげる。この時、チェコ代表のメンバーに、正直著名な選手が他にいなかった事から、現在でも世界レベルで人気・実力ともに高い、ゴールキーパーのツェフという選手があまりにもクローズアップされ過ぎていた。それだけならまだ「演出」として許せなくもなかったが、個人的に本当に許せなかったのは、何度も何度もツェフのことを「世界一のゴールキーパー」だと、スタジオだけでなく実況・解説とかですら言い続けたことだ。これは本当に、ウソぎりぎりに過ぎる、ひどい話だった。

 この場合ツェフ自身が悪いわけでは全くないのだけど、2011年時点において、彼を「『世界一』のゴールキーパー」と決めつけられるだけの判断材料は、ほぼどこにもなかったはずだ。確かに当時、ツェフは「世界3大ゴールキーパーのひとり」とも言われ、それぐらい実力が高いことは間違いないのだけど、当時なら「3大ゴールキーパー」の残りの2人、直近の2010年ワールドカップで優勝したスペイン代表のカシージャスや、あるいは2006年ワールドカップで優勝したイタリア代表のブッフォンの方が、よっぽど「世界一」というにふさわしかったはずだ。それに比して、チェコ代表はワールドカップで優勝した経験もなければ、ツェフ自身もその当時、世界サッカー連盟(FIFA)選出のベストイレブンとかに選ばれていたわけでもない。つまり、当時のツェフを表現するに、「世界"有数"のゴールキーパー」とか言うならまだ納得できるが、「世界一」だとまで言い切れる材料は、世界中のほぼどこにもなかったはずなのだ。多分に「演出」のため、おそらくは地味に映りがちなチェコ代表との対戦を視聴率的に盛り上げるために、この時の番組の出演者たちは、ツェフを「世界一のゴールキーパー」だと、ほとんど事実無根な話を恥ずかしげもなく言い続けたのである。


 後半のツェフ選手の話がマニアック過ぎる、という点は申し訳ないのだけど、とにかく「演出」という大義名分だけで、地上波テレビにはあちこちに「ウソ」や「ウソぎりぎりな話」が実在している、という事を私は言いたかったのである。まだこういう話が許される場所があるとすれば、それは「お笑いのため」と言い訳できるお笑い番組ぐらい"だけ"だろうが、そんな"ノリ"でニュースや他の番組を伝えられては、たまったもんじゃない。

 こういう理由で、私は地上波テレビをほとんど見なくなってしまったわけである。まあすでに、それなりにまともなコンテンツが、インターネットとかでも結構見られるようになった昨今では、ますます地上波テレビの存在意義が薄くなってしまっているわけだが、それにしてもいい加減、「演出」という大義名分だけで、「ウソ」や「ウソぎりぎりな話」ばかりしているなんていう事は、本当にそろそろやめた方がいいだろう。単純に、地上波テレビの「寿命」を、自ら縮めているだけなのだから。
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