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地上波テレビは裏側の事情をあまりにもさらけ出し過ぎたし、「空気を読め!」という言葉に至ってはもはや犯罪レベル

 タイトルにある通り、地上波テレビはある時期から、正直言って異常なくらいに裏側の事情をさらけ出し過ぎてしまったと、個人的に強烈にそう思っている。

 端的に言うと、「ワイプ」や「ひな壇」なんていう、いまや常識になってしまっている感すらある「業界用語」とかだ。こういう言葉は、最低でも楽屋やカメラの止まっている時までに留めるべき話だったと思う。最近なんか、テレビの隅にワイプが映っているシーンで、芸能人達が肝心のVTRに対する感想を言う以前に、そのワイプでどう振る舞っているかを「ワイプがうまい!」とか「ワイプの女王」だなんて品評するとかいう、ある意味支離滅裂な話が「当たり前」に展開されたりしている。こんな話、どう考えたって、見ている側には「冷める」話でしかない。

 こういう話に代表されるような、舞台なら楽屋や舞台裏までで収めるべき話を、今の地上波はあまりにもさらけ出し過ぎてしまったと思う。舞台上の話で、例えばここはあれを盛り上げるためにわざとああいうライティングしている、なんて話が漏れてしまったら、見ている方としては興ざめもいいところだろう。そういう話が、今の地上波テレビはもっともっとひどい事になってしまっている気がする。個人的には、まるでタネを最初から明かされている手品ショーを見せられているような気すらする。…つまり、最初からもう面白くなくなってしまっているのだ。

 こういう、楽屋までで収めるべき話だったもので、個人的に一番ひどいと思っているのが、いわゆる「空気を読め!」系の言葉だ。確かに、トークが重要な要素を占めるような番組では、そういう話は必要かも知れない。でもそれは、ホントに楽屋やカメラが止まっている時に「だけ」言えばいい言葉で、少なくとも広い範囲で公開されてしまうテレビ番組の本番中に言うべき言葉ではなかったはずなのだ。

 このへんで更にひどいのは、こういう話をテレビで頻繁にしてしまったら、当然学校や会社等の一般レベルまで広く波及してしまうという「事実」を、当事者達(一部の芸能人やテレビ関係者)がいまだに「都合よく無視」し続けている点だ。「空気を読め!」なんて言葉を一般に広めてしまった一部の芸能人達は、「あれはテレビの中だけの話で、世間一般まで広めるつもりなんてなかった」とか言い訳をするだろうが、少なくともある程度長期間活躍している芸能人や、あるいはテレビ関係者などは、テレビで何かを頻繁に繰り返せばそれが世間一般にも波及してしまう、という「常識」をわかっていたはずだ。それの端的な例が、毎年発表される「流行語大賞」とかで、それらのほとんどは、テレビで大ヒットした言葉=世間一般にも広く普及した言葉、だろう。そういう「常識」をわかっていながら、「空気を読め!」なんて言葉を一般化してしまって、結果として日本社会でのコミュニケーションをもっと難しくした、更に言えば「いじめ」や「仲間はずれ」の対象をもっと作りやすくした、という罪は大きいのだ。

 個人的には、「ワイプ」や「ひな壇」って言葉を一般化してしまった、という話までなら、まだいいと思っている。それは単に、もともと面白くなかったテレビ番組を、自分たちで更に面白くなくしただけなのだから。だが、「空気を読め!」系の話をここまで世間一般に広めてしまったのは、単純にひどすぎる。こんな話は、一般レベルではせいぜい、葬式とかでしか使われない言葉であったのに、いまや学校や会社とかで普通に「空気を読め!」とか叫ばれている。そしてそれは最終的に、そういう言葉に同意できなかったりついていけない人間達を「排斥」する、つまり「いじめ」や「仲間はずれ」の対象を更に作る動機にばかりなっている。こんな状況を作り出したというのは、本当にひどい話だ。

 「空気を読め!」なんて言葉を世間一般に広めてしまった一部の芸能人やテレビ関係者達には、最低でもその言葉で実際に「いじめ」や「仲間はずれ」の対象にされてしまった人たちに対する加害者責任が、確実にあると思う。まあこんな事を弾劾しても、奴らは絶対にその責任を認めたりしないだろうけど。…それにしても、いまやフィクションであるドラマや映画とかですら、好ましくないとかの理由で未成年者の飲酒シーンがなくなったりしているのだから(これはこれでどうかと思うけど)、それだったらもっと「いじめ」や「仲間はずれ」につながってしまうような言動を控える事ぐらいはしてくれてもいいじゃないかと、そういう対象になり続けた私などは、本当に強烈にそう思うのである。


PS. こういう話を書くと、「何だかんだ言って、結構地上波テレビを見てるじゃないか」って思われるかも知れないが、逆である。ごくたまにしか見ないからこそ、こういう話が「鼻につく」のである。
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