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2017年J1リーグ19節 川崎フロンターレ対ジュビロ磐田(7月29日) - フロンターレ・サポには、久々に「苦行」だった試合だけど・・・

 2017年7月時点で、川崎フロンターレは単純に素晴らしいサッカーをやっていると思うけど、その流れが途絶えて欲しくなかった時にやってきた3週間の中断期間のあと、見事にそういう事を感じさせられるゲームが、よりにもよって等々力で行われてしまった。7月29日、2-5と大敗した対ジュビロ磐田戦である。

 この試合、快進撃が続いていたフロンターレ側から見てみれば、久々に「苦行」となった試合だった。だって、後半の55分から61分の間に、1-2から一気に1-5にされてしまって、海外のスタジアムならこれだけで帰る人の列が出来てもおかしくない、って展開になってしまったのだから。

 この試合、結局フロンターレは1点返して、2-5というスコアで終わったのだけど、正直数日経った今になっても、この試合はこの点差ほどの内容の差があったとは思えない。内容だけ見れば、フロンターレとしては、決して悪いとすら言い切れない試合だったと思う。

 でも、それじゃあ何で2-5なんてスコアになってしまったか?という議論になると思うけど、個人的には、両監督の采配の差が、こういう点差に結びついてしまったと思っている。・・・あくまで「結果的に」という話ではあるが。

 この試合、前半は1-2で折り返したわけだが、この時点では少なくとも、2-5にまでなるような予兆なんてどこにもなかった。実際、前半までは、フロンターレはある程度試合を支配しつつも、ジュビロがしっかりと対策をしてきたせいで、若干流れの悪い感じで前半を終えていた様に思う。ただ、繰り返すが、この時点で2-5になるほどの内容差なんてどこにもなかった。

 後半、当然その悪い流れを変えるべく、若干フロンターレは軌道修正をしてきたワケだが、そこで両監督の采配の差が出てしまったように思う。前半の試合内容からいって、おそらくはサイド攻撃とかよりも中央突破的な攻撃の方が効果的、とフロンターレの鬼木監督は判断して、実際そういう指示を選手達にしたんだと思う。実際、その判断自体は正しかったと私も思うが、おそらくはそういう指示が出るであろうことを、ジュビロの名波監督は見越していたのではないかと思う。

 そのへんのハーフタイムでの両監督の指示の差で、後半のほとんどの部分で、フロンターレの選手は中央突破にこだわり過ぎるかのような攻撃に終始してしまったが、それを見越していた名波監督の指示によって、ジュビロ・ディフェンスは的確に、それらの攻撃をからめ取っていった様な印象がある。そして、そういった経緯で更に若干ゲームの流れが悪くなったタイミングで、3点もの失点が立て続けに生まれてしまったと思われる。

 この後半の3失点中、最初の失点の直後の2枚替えで、正直その交代の人選を誤った、という点も指摘しなければならないだろう。後半最初の失点直後に行われた2枚替えで、登里とネットに替えて森谷・家長という交代だったわけだが、直前に体を痛めていた登里を替えるのはまだわかるとしても、何故いまやうちの中軸であるネットを替えたのか、そしてそれに替わるのが何故森谷・家長というチョイスだったのか、という点はいまだに疑問が残る。中断期間中のミニキャンプでいい結果が出せていたのかも知れないが、それでもあの時点で替えるとすれば、直前までの試合で結果を出していた長谷川か、あるいは攻撃的守備要員(守備を安定させた上で改めて攻撃的に行く)という位置づけで奈良あたりが妥当だったのではないかと思う。そしてその2枚替えによって生まれた少なからずの混乱によって、更なる失点が生まれてしまったのだから、なおさらだ。

 結局、この日の2-5というスコアは、こういう鬼木監督と名波監督の采配の差によって生まれてしまったと、個人的にはそう思っている。とはいえ、後半の連続3失点は、それにしては不幸が重なりすぎたシーンだったと思う。この時間の失点や2枚替えによって、若干の混乱は起きていても、3失点という結果に結びつくほど選手たちが切れていたわけでもないからだ。いつもなら3失点の内、せめて1点ぐらいは、DF陣かGKソンリョンによって防がれていたんじゃないかと思う。そういう意味では、連続3失点までしてしまったのは、不幸が重なってしまったとしか言いようがないシチュエーションだったと思う。

 この試合、結果として2-5と、確かに悲観するに十分な結果だったかも知れないが、内容的にそこまで落ち込む話ではなかったことは、色々救いだったと思う。後半の連続3失点した後でも、少なくとも選手たちは切れても何もいなかったし、それで最終的に森本のゴールが生まれたことも大きかった。このゴールによって、フロンターレの選手たちは、自分たちのやっていることは間違っていないと、いい意味での再認識が出来たのではないだろうか。その点だけでも、2-5と大敗した中で、終盤に森本が今季リーグ初ゴールを挙げた意味は大きいと思う。


 とにかく、今回の試合について個人的思いをまとめると、鬼木監督と名波監督の采配の差こそ出てしまったものの、それにしてもここまでの点差になるようなゲームではなかった、と感じている。どれだけ強いチームであっても、1年もの間戦っていれば、1~2試合ぐらいはひどいことになってしまうゲームがあるものだが、今回はまさにそれだったと思う。ただホントに、今回は「結果的にそうなってしまった」という要素が多分に強い話であって、これをもって下を向くようなゲーム内容では全然なかった。今回はホントに「不幸が重なってしまった」と割り切って、次節以降、また更に魅力的な鬼木フロンターレ・サッカーを見せてもらいたいものである。
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