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再販制度に対して一番言いたいこと - 「音楽にまで再販制度を適用するな!」

 このブログで、再販制度のあり方について、かなり批判的なことをそれなりに書いてきたが、考えてみたら、自分自身が一番言いたかったことを、ちゃんと言ってなかった気がする。そういうわけで、あらためて自分自身が言いたいことを言ってみることにする。

 私が一番再販制度について言いたいこと。簡潔に言うとそれは、

「CD(音楽)にまで再販制度を適用するな!そしてさっさと、パソコンでの音楽配信を解禁しろ!!」

・・・ということである。


 再販制度について改めて説明しておくと、再販制度とは、書籍や新聞、雑誌、そしてCD(音楽)の販売は、「原則定価」でしか出来ない、ということである。これはちょっと周りを見渡してみれば、すぐわかることだ。最寄りの本屋やCDショップなどは、中古店とかでない限り、全て定価でしか売ってくれない所ばかりである。これは、再販制度という法律がそういう著作物などを(過剰に)保護しているからなのである。

・・・ただしかし、個人的な見解を言うと実は、書籍・新聞・雑誌については、それはそれでいいと私は思っている。さすがに、1000円以上した新書本で、全然中身のないような本をつかまされた時は、その高すぎる価格と、その値段を「強制」する再販制度を恨んだりするが、それ以外の書籍、特に結構な割合を占める文庫本レベルの内容と価格だったら、逆にこれ以上安くしたら、著者の苦労が報われない、などと、余計なお世話的な感情が前面に出てくるからだ。新聞や雑誌もそれに近い感情があり、むしろこの2つについては、インターネットに圧されて財政悪化や休刊・廃刊がおびただしいので、同情的な感情すら出てきてしまう。

・・・しかし、CD(音楽)については別だ。そもそも、基本である「CD1枚3000円」という定価設定については、今も昔もかなりの不満がある。元々家がそんなに豊かでなかった私にとっては、3000円の出費というのは、かなりの痛手だった。インターネットのなかった昔などは、中古すらも手に入りにくく、また定価がそもそも高いので、中古でもそんなに安くなってなかった。・・・だから結局、昔の私は、結構遠いレンタルショップまで足繁く通い、音質が遙かに悪くなるカセットなどにダビングするしか、音楽を楽しむ方法がなかったのだ。・・・そういうわけで、CD(音楽)に対する再販制度の存在には、かなり憎悪的な感情が私の中にはある。

 そもそも、再販制度をCD(音楽)に適用してる、なんて話は、実は日本だけである。それどころか、他の分野(書籍・新聞・雑誌)を含めた再販制度の運用は、先進国ではどんどん減っているか、ないしは廃止、あるいは元々そんな制度はない、というのが「実情」なのだ。そんな状況の中で、CD(音楽)は相変わらず高値の定価で過剰に保護されている日本・・・。そんな状況に、私は怒らずにはいられない。


 最近は音楽配信などに圧されて、CDショップも若干足下がゆらいでいるようだが、それでも「CD1枚3000円」という、悪しき方程式は変わらない。それに第一、音楽配信が一般市民にCD以上の利便性および経済性を与えたかというと、これまたそうでもないのが、日本「固有」の実情なのである。

 そもそも、日本における音楽配信とは、その大半は携帯での着うたなどの配信を指す。値段だけ見れば、一見お得な感じがするが、多くの人が暗黙の了解以上の認識でわかっている通り、着うたは基本、購入した携帯の中でしか聞けない代物である。今や多くの人が持っている、iPodやネットワーク・ウォークマンなどの他の音楽機器に転送して楽しむ、なんてことすら出来ないのだ。正規の配信サイトで、正規の値段で購入したモノであっても、である。経済性はともかく、「利便性」という面において、退歩も著しい話ではないか。


 ・・・日本において、こんな状況が放っておかれるのも、つまるところ、音楽の著作権でおいしい思いをしている既得権益者達が、自分たちの利益を確保するために、利益が少しでも損なわれるような事象を、ことごとく妨害しているからである。こいつらの本音を言えば、着うた配信だって本当は妨害したかったに違いない(CDだけの時よりは、明らかに著作権収入は減少したであろうから)。しかし時代と世論の流れに完全に逆らうのは難しかったようで、折衷案的に許したのが着うた配信の話だったのだろう。あまりに抑えつけすぎると、普段おとなしい日本の一般市民でも、怒り狂って自分たちに殺到してくる、というぐらいの「想像」は、既得権益者どもも出来たと見える。それで部分的に許す形で、着うた配信の話を許したのだろう。

 ・・・しかし、特にパソコンでの音楽配信事情を鑑みると、「これ以上の『侵害』は絶対に許さない!」という既得権益者どもの声が、まざまざと聞こえてくるようである。パソコンでの音楽配信は、いまだに「解禁」からはほど遠い、思いっきり「抑圧」のかかった話になっている。Apple対SONYの図式から、それぞれのオンラインストアで、日本全体のアーティストの楽曲が全然揃わないのはもちろん、値段もCDに比べてそれほど安くなってないし、プロテクトの狭小さについては、もはや言わずもがなだ。こと音楽配信については、世界的な流れとして、プロテクトをかけないで流通させるのがある意味「グローバル・スタンダード」になろうとしているのに・・・。ちなみに、海外でプロテクトをかけないで流通させる意図のひとつは、「音楽等のコンテンツを適正な価格で流通させれば、わざわざ海賊版的な行為に走る事自体を減らすことが出来る」、というものなのだが、こんな考えが日本では見向きもされていないのは、周知の通りである。


 とにかく、日本における再販制度、特に音楽に対するそれは、色々ひどすぎる面が多すぎる。定価販売が常識、その定価自体が高額、音楽配信は色々制限が容易に出来る携帯向けだけ、パソコン向けはそれが出来ないからガチガチにプロテクトを、などなど・・・。こういう状況に、基本的に音楽が大好きな私は、日常的に憤慨しているのだ。いい加減、もっと手軽に気楽に、音楽を楽しめるようにしてくれよ・・・・・・・
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